posted on 2007-01-17
筑波サーキットで実証した、RX-8用新型サスペンションシステム、及びワイドレンジブレードスタビライザーのテストのレポートです。
今回のテストでは、あえて新品のタイヤを使ってのタイム狙いではなく、一般的にサーキット走行をされるユーザーのタイヤの使い方に合わせて、ネオバは2年前製造の3部山、Sタイヤである048は1年半前の3部山を使用しました。当社での通常のテストではまず使わないような、コンディションの悪い古く残り山が少ないタイヤであっても、足回りのトータルバランスを向上させる事で、ある程度のタイムを出すことが出来ました。
RX-8 サスペンションシステムVer.2 TEST
使用タイヤ:YOKOHAMA Neova245/40-18 2004年24週製造(3部山)
Test1
気温:15℃ 路面温度:18℃ ドライバー:Ikeda
Lap | Time | ? | 1 | in | ? | 2 | 1"09.6 | ? | 3 | 1"09.1 | ? | 4 | Pit1 | 低速、高速コーナーにて、アンダーステア大(ロールアンダー) | 5 | in | セット変更 ダンパー1Tプラス | 6 | 1"08.9 | ? | 7 | Pit2 | ? | 8 | in | セット変更 フロント車高3Tダウン | 9 | 1"08.6 | ? | 10 | 1"08.3 | ? | 11 | 1"08.3 | ? | 12 | 1"08.5 | ? | 13 | 1"08.2 | ? | ? | Pit3 | ダンロップ下などは良くはなったが、タイト、高速コーナーでは、まだまだ足りない。早めのアクセルONでリアが出る。 セット変更 温間タイヤエアをオール2.2kgに調整 | |
全体的にダンパーの減衰不足、ターンINの車高のバランスを修正することが必要、タイヤ温度とキャンバー関係からすれば、キャンバーが不足気味ではあるが、タイヤエアを上げた方が反応は良さそうだ。
Test2
気温:17℃ 路面温度:22℃ ドライバー:Ikeda
Lap | Time | ? | 1 | in | ? | 2 | 1"08.6 | ? | 3 | 1"08.2 | ? | 4 | Pit4 | ターンINでのロールバランスか姿勢が悪くオーバーステアぎみ | 5 | in | セット変更 Frダンパー1/2プラス | 6 | 1"08.2 | ? | 7 | 1"08.6 | ? | 8 | 1"08.4 | ? | 9 | Pit5 | ダンパーの減衰力を上げるとグリップ感が増し、ターンINも良くなってきた ※この場合は、セオリー的にはフロントのスタビのレートを上げた方が得策だが、スタビはあえて弄らずセットを続ける | 10 | in | セット変更 Frダンパー1/2プラス | 11 | 1"07.9 | ? | 12 | 1"07.7 | ? | 13 | Pit6 | ターンIN(ブレーキが少し残った時)で少しオーバーが出始めた、またフロントのストローク量が少し大きい。 ※フロントの減衰力を上げてグリップがフロント側だけ向上した為、リヤとのバランスが崩れはじめた | 14 | in | セット変更 Rrダンパー1/2プラス | 15 | ? | ? | |
Test3
気温:17℃ 路面温度:22℃ ドライバー:Shionoiri
Lap | Time | ? | 1 | in | ? | 2 | 1"08.8 | ? | 3 | 1"08.5 | ? | 4 | Pit7 | 少し良くなったが、もう少しダンパーをプラス方向に | 5 | in | セット変更 Rrダンパー1/4プラス | 6 | 1"08.1 | ? | 7 | 1"07.8 | ? | 8 | Pit8 | ? | 9 | Pit5 | ダンパーの減衰力を上げるとグリップ感が増し、ターンINも良くなってきた ※この場合は、セオリー的にはフロントのスタビのレートを上げた方が得策だが、スタビはあえて弄らずセットを続ける | 10 | in | セット変更 Frダンパー1/2プラス | 11 | 1"07.9 | ? | 12 | 1"07.7 | ? | 13 | Pit6 | ターンIN(ブレーキが少し残った時)で少しオーバーが出始めた、またフロントのストローク量が少し大きい。 ※フロントの減衰力を上げてグリップがフロント側だけ向上した為、リヤとのバランスが崩れはじめた | 14 | in | セット変更 Rrダンパー1/2プラス | 15 | ? | ? | |
RX-8 ワイドレンジブレードスタビライザー TEST
サスペンションシステムテストのセッティングから、引き続き新発売のRX-8 ワイドレンジブレードスタビライザーのテストを行いました。
使用タイヤ:YOKOHAMA Neova245/40-18 2004年24週製造(3部山)
Test1
気温:17℃ 路面温度:17℃ ドライバー:Shionoiri
Lap | Time | ? | 1 | in | ダンパーテストのセットから、フロントスタビをミディアムからハードに | 2 | 1"11.5 | ? | 3 | Pit1 | タイト、DL、高速コーナー入り口からターンINまでオーバーステア気味 | 4 | 1"08.8 | ※スタビをミディアムからハードにした為、フロント側のグリップレベルが上がり、リアとのバランスが崩れた為にハンドリングが悪くなった。 | 5 | 1"08.0 | ? | 6 | P2 | フロントダンパー1/2マイナス ターンINのオーバーステアは治まったが、さらに攻め込むセッティングとしてブレーキングポイントを奥にすると、オーバーステアは少し残っている。フロンタンパーを緩めてからは高速コーナーのハンドリングが良くなった。また激しく縁石をまたいでも、車輌の姿勢は安定している。 ※スタビレートを上げた事により、フロントのグリップが上がった分リアのバランスがずれ、そのバランスを取るのにフロントの減衰を下げた方が良いようだが解決には至らず。 リアのライドハイドを下げて、ターンINの姿勢を作り、フロントダンパーの減衰を下げた方が良いようだ。 | ? | ? | リア ハイト1Tダウン、フロントダンパー1/2プラス | |
Test2
気温:17℃ 路面温度:17℃ ドライバー:Shionoiri
Lap | Time | ? | 1 | in | ? | 2 | 1"08.0 | ? | 3 | 1"07.6 | ? | 4 | 1"07.7 | ? | 5 | 1"07.2 | ? | 6 | P1 | ターンINの姿勢も探偵、攻め込んでも弱アンダーがでるのみ。このままSタイヤを履いても良いかも。 ※フロントのスタビレートを上げてターンINn姿勢(車高のバランス)を見直す事で、全体的なグリップレベルの向上が出来た。 | |
Sタイヤテスト
使用タイヤ:YOKOHAMA A048 255/40-17 2005年28週製造(3部山:Tukuba2000約80Lap使用)
後日、上記テストと同じセッティングのまま、タイヤのみをネオバからA048(Sタイヤ)に変更して再度テストを行いました。
気温:7℃ 路面温度:9℃ ドライバー:Shionoiri
Lap | Time | ? | 1 | in | ? | 2 | 1"07.283 | ? | 3 | 1"06.033 | ? | 4 | 1"05.281 | ? | 5 | P1 | ネオバのバランスが良いまま、全体的にグリップが上がった感じで、ネオバでギリギリのところがそのまま全開で行けるような感じ。 わざとオーバースピードでタイトコーナーに進入しても、ズルズルと奥でアンダーが出たりしないし、進入ラインを外側に降ってもターンINで突然オーバーになったりしない。Lap4のタイムも攻めきったタイムではなく80%程度のドライビングです。 | |
今回のテストを通じて、一般的なユーザーがサーキットで利用する事が多いと思われる、ある程度使用したタイヤであっても、足回りのトータルバランスを向上させる事で、タイヤのグリップを最大限に引き出すことが可能になり、タイムに直結する結果となりました。